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三日月の夜に


オリオン座流星群が澄み切った秋の夜空を通り過ぎていき、
昼間は昼間で、どこまでも高い青空に金木犀の香りが漂い、懐かしい子供の頃を思い出させてくれます。
許されるなら一日中、空を見ていたいと思うような好天が、あの日以来続いていますが、
皆様お元気でお過ごしでしょうか?

例によって、ご報告が遅くなってスミマセン。
先日18日、池尻大橋CHADにて「石橋和子ワンマンライブ~三日月の夜に」は、お陰さまで大盛況に終わりました。
実は、よりによって、その日は冷たい雨だったのですが、あいにくのお天気にもかかわらず、
遠くからも、たくさんの方にお越し頂き、本当に嬉しい限りでした。
改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。

お忙しい所いつもお越しくださる方達と、
久しぶりに思い出してお越しくださった方達に混じり、
初めてお越しくださった方達もいらしたのですが、
不思議な事に、いつの間にかお客さま同士が仲良くなって、
一緒に楽しんで下さっていた事は本当に嬉しかったです。
深まり行く秋を感じながら、「ライブ」という場で、まさしく、
それぞれの人生(ライフ)の一部を切り取った時間を共有できた事は、
私にとっても幸せな事でした。
これも音楽の神様のお陰でしょうか。
皆様に心から感謝しています。

今回は、お馴染みパーカッションの加藤華子さんとのデュオでしたが、
彼女の達者なところは、賑やかな曲にもバラードにもピッタリ合わせてくれる所です。
明るくて気遣いのあるキャラクターにも、「ハナコファン」も増えつつあります。
レイ・チャールズのヒット曲で、今回初カバーの「Crying time 」では、
素敵なコーラスも聴かせてくれました。

さて、この時期一度は聴きたくなるシャンソン「枯葉」とともに、
今回ピックアップした秋の名曲、「ふ~けゆく秋の夜、た~びの空の」で始る叙情歌「旅愁」は、
なんと100年以上前の明治時代に、作詞家で音楽教師でもあった犬童球渓(いんどうきゅうけい)(1879~1943)が、
彼より50年ほど前にフォスターと同時期に活躍したアメリカの作曲家、
John.P.Ordway(1824~1880) の「Dreaming of home and mother」 に訳詩をつけて、
明治40年に出版された「中等教育唱歌集」の中で発表された作品だそうです。

それからずっと歌われてきたからこそ、
お祖父ちゃんお祖母ちゃんと一緒に孫も歌える数少ない歌なのですね。
詞があまりにもぴったり乗っているので、てっきり日本人の作曲だと思っていました。
さらに興味深いのは、
その頃、日本に留学していた中国の学生、季淑同が「旅愁」を聞いて気に入り、
中国に帰って「送別」の題で中国語に訳したところ大人気になり、今では国民的歌曲?になっているのだとか。
音楽は国境を越えるといいますが、
今の米中日の政治家達に聞かせてあげたい歌と話です。

さて「旅愁」の他に、
もう一つの初カバー曲「The end of the World」 も、客席でご一緒に口づさんで下さっていました。
この曲はカーペンターズやブレンダ・リーも歌ってヒットしましたが、
スキータ・デイビスの淡々と素直な歌が好きという方も多く、リクエスト頂きました。
http://www.youtube.com/watch?v=KmnKCE99sYE

内容は、大切な人が亡くなって「この世の終わり」と悲しむ心とは裏腹に、
太陽は昨日と同じように輝き、鳥はさえずり、それを自然に受け入れている自分の感覚に、
いっそう悲しさが深まるという切ない歌です。
この気持ちは私にも理解できますが、
悲しみが深ければ深いほど、やはり淡々としか歌えない気がします。
シンプルで綺麗なメロディに味わい深い詞は、
文句なしにポップスの名曲のひとつといえるでしょうか。

ところで、
「この世の終わり」という言葉を、
恋人に振られた時に思い出す場合もあるかもしれませんが、
「この世の終わり」が来るまで、離れないで一緒にいたいという、
情熱的な恋愛中に使う言葉でもあるでしょうか。

一方で、
3.11以降、聞こえて来るニュースを繋げて行くと、文字通りの、
人も自然も形を変えて無くなってしまうのではないかと思える程の、
取り返しのつかない「この世の終わり」を、
時たまイメージしてドキッとすることがあります。
願わくばラブソングの中でだけ使われる言葉であってほしいものです。

諦めない気持ちを紫陽花革命にたくして、我が家の紫陽花の話もしたら、
思いがけず剪定の方法をご伝授くださった方もいらっしゃり(感謝!)、
ベランの紫陽花も、心の中の意識も、ずっと枯れずに持ち続けたいものだと思いました。

最後に、初めてお越しくださった方から、オリジナル「さよなら」について嬉しい感想を頂いたので、
ちょっと恥ずかしいのですが一部ご紹介します。

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(初め略)
「最高に楽しい時間を過ごさせていただき、ありがとうございました!
感性の深い歌詞と美しいメロディー、心の美しさが伝わってきました。
『新しい窓 開けるために、時は流れてゆく』
本当にそう思います。
私はいつも『流れるうように生きていたい』と思っています。流されるのでは決してなく。
新しい扉が現れたら抗うことなく開けて、前に進んでいきたいと。時の流れのように決して立ち止まることなく。
そんなふうにこのくだりを私なりに自分の生き方に重ねてみました。」
(後略)
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この曲を創った時の私の気持ちと、その後歌い続けている私の気持ちを、
思いがけず、ぴったり理解して受け取ってくださったようで、
本当に胸が熱くなるほど嬉しかったです。
ありがとうございました。

どんなにいろんな事があっても、前へ前へと諦めることなく、
人間としての高みを目指して進んで行けたら幸せですよね。

さて、次のライブは12月11日(火)大塚Welcomeback で、
ギター・ホセ有海さんとバイオリン・石内幹子さんを加えたチャリティー・ライブのメンバー4人でお送りします。
ず~っと頑張っている大人達のために、心を込めたクリスマス・ソングをお楽しみ頂ければと思っています。
どうぞ、お楽しみに!





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